ラヴォー地区の葡萄畑
Intro
ローザンヌからモントルー郊外まで、レマン湖の上にのびる丘陵にぶどう畑が続く美しい風景で有名なラヴォー地区。きらめくレマン湖と雄大なアルプスを眼前にテラスのように連なるぶどう畑とグランヴォー、ヴィレット 、キュリー、リュトリ、リエ、リヴァ、シェーブル、サン・サフォランなど、葡萄農家が暮らす小さな村が織り成す景観の美しさだけではなく、ワインづくりの長い伝統と歴史を評価され、2007年に文化遺産として登録されました。
この地域は、ローマ時代までさかのぼる歴史を誇っており、現在の葡萄畑の原型は、この地を修道院が支配していた11世紀頃に形成されたものと考えられています。その後、何度も支配者は変りながらも、小さな村での葡萄づくり人の暮らしやワインづくりの伝統は、約1000年をこえる長い時の中でかわることなく、受け継がれてきました。
周囲の美しい自然とも共存し、地域の経済にも貢献しつつ、昔ながらの建物や伝統を守ってきたことは、急速な近代化により独自の文化が失われつつある現代においては、世界的にも希有な例として、文化的に高い価値を認められています。
ほかに類をみない絶景、そしておいしいワインを楽しめる「ラヴォー地区」は、観光にも人気のエリアです。とくに葡萄畑の間を縫うようにつくられた小道を歩くハイキングがおすすめ。中世の頃から続く伝統の葡萄畑と点在するかわいい村を訪ねてみましょう。
世界遺産データ
■登録名(英語):Lavaux, Vineyard Terraces■登録年:2007年
■分類:文化遺産
※ワイン生産地としてラヴォー地区は、ローザンヌからモントルー郊外(シヨン城近辺)までのエリアですが、世界遺産に申請登録したのは、リュットリLutry、ヴィレットVillette、グランヴォーGrandvaux、キュリーCully、リエRiex、エペスEpesses、ピュイドゥーPuidoux、シェーブルChexbres、リヴァRivaz、サン=サフォランSaint-Saphorin、シャルドンヌChardonne、コルソーCorseaux、コルシエ=シュル=ヴヴェイCorsier-sur-Vevey、ジョンニーJongnyの14の自治体(村)となります。世界遺産登録指定保護地区のエリアは下記にてご確認ください。
▷ラヴォー/世界遺産登録指定保護地区