クール
Intro
スイス東南部を占めるスイス最大のカントン、グラウビュンデン州の州都。プレ・アルプスの山々に囲まれた美しい古都は、新石器時代からの居住の跡が発見されたことから、スイス最古の町ともいわれています。城壁に囲まれた旧市街には中世の町並みがそのまま残っており、高台にある大聖堂を中心として、豊かな文化遺産や史跡が数多く点在しています。昔からヨーロッパをつなぐ交易路にあり山岳地方への玄関口として栄えた交通の要所で、今も数々のポストバス路線や氷河特急、ベルニナ特急など絶景自慢の鉄道路線の発着点としても有名。多くの人が周辺の小さな村やマウンテンリゾートへのエクスカーションを楽しんでいます。
約5000年前の初期石器時代と青銅器時代の歴史が文献に残っているためスイスで最も古い町ともいわれています。ケルト人、ローマ人、ゲルマン人の東ゴート族やフランク族などが、重要な交易路にあり山々の峠へ向かう玄関口であるクールを支配していきました。
現在の街には、古代ローマ時代の遺跡のほか、司教領だった頃から約800年の歴史がある大聖堂など中世の建物が残っています。とくに城壁に囲まれた旧市街は、中世の町並みをそのまま残しており、小さな迷路のような路地がいりくんでおり自動車の入れない歩行者天国。広場では周辺の山々から特産品が持ち寄られて素朴な市場が開かれます(5〜10月の毎土曜日)。
常にこの地域の中心地として栄えてきたクールは、今でも商業の中心地であり、広大な地域の州都でもあります。若者が集まるトレンディスポットも多いクールは、約500軒の個性的な店舗のあるスイス屈指のショッピング天国です。また州立美術館や劇場など文化施設も充実しています。
昔も今も交通の要所で、各方面へ向かうポストバスが発着するほか、グラウビュンデン州を結ぶスイス最大の私鉄「レーティッシュ鉄道」の路線が各地へ結んでいます。世界遺産の路線を走る有名なパノラマ列車「氷河特急」や「ベルニナ・エクスプレス」の発着駅でもあります。
街の見どころ Travel Points
クール大聖堂 Kathedrale12〜13世紀に建てられたローマ・カトリック大聖堂。グラウビュンデン州最大の後期ゴシック建築
聖マルティン教会 Kirche St. Martin
街の中心にある15世紀に再建された教会。アウグスト・ジャコメッティのステンドグラスがある
ビュンドナー美術館 Bündner Kunstmuseum
グラウビュンデン州立美術館。18〜20世紀の絵画を中心に、地元ゆかりの芸術家の作品も多い。伝統的な本館の修復・拡張をピーター・ズントー、モダンな新館をバロッツィ・ヴェイガが設計
ヴェルシュデルフリ・ローマ遺跡 Römische Ausgrabungen
クールで発見された状態の良いローマ時代の住宅跡。遺跡保護・展示のための建物を有名建築家ピーター・ズントーが設計
レーティッシュ博物館 Rätisches Museum
17世紀に建てられた由緒ある邸宅に新石器時代からの考古学発掘品を展示
ギガー・バー Giger Bar
『エイリアン』のデザイナーとして有名なクール出身のH.R.ギガーがつくったバー
周辺の見どころ Excursion
ライン河の2つの支流の合流点。隣接してグルメレストラン「アドラー」がある
12世紀に建てられたツィリスの教会。天井にある有名な153枚の板絵は必見
言語(公用語): | ドイツ語 |
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カントン(州): | グラウビュンデン Graubünden (GR) |
標高: | 593m |